TOPEXHIBITION全28話。
2022.09.09 (Fri) - 2022.11.06 (Sun)
EXHIBITIONS
全28話。
クレモンティーヌ・ドゥ・シャバネクス
ギャラリー「のこぎり」(東京都渋谷区)はフランスのアーチスト、クレモンティーヌ・ドゥ・シャバネクスの日本初となる個展「全28話。」において、全28体のセラミック作品を初公開する。クレモンティーヌは世界的な彫刻家として知られるラランヌの孫娘である。彼女は、その手強い先入観に抵抗しつつ、ついには手懐け、表現者としての自由を手にしている。日本のアニメーションにも通じる表層の奥に、土着的な恐さと麻酔的な心地よさが共存する。演劇的なのに、物語を語ることは拒絶され、夢遊的なのに、意識は研ぎ澄まされていく。反抗的なのに、どこまでも優しく、心理学的なのに、理由が見つからないのだ。同じ企みの下、同じ不安を共有することで、現実を乗り越えようとする彼女のキャストたち。クレモンティーヌが創り上げるオペラの一幕には、拍手も楽団もセリフもなく、客席に座った私の、胸騒ぎと気配だけにスポットライトがあたる。
Clémentine de Chabaneix (クレモンティーヌ・ドゥ・シャバネクス)
クレモンティーヌ・ドゥ・シャバネクスは1972年、パリ郊外のヌイイ=シュル=セーヌに生まれる。両親は俳優で、祖父母は世界的な彫刻家のクロード・ラランヌとフランソワ・グザヴィエ・ラランヌである。クレモンティーヌの芸術的キャリアは演劇から始まり、デッサン、絵画、彫刻を学んだ後、陶芸に転向。祖母のクロード・ラランヌから受け継いだ技法を継承しながら、独自の表現方法にたどり着いている。
全28体の作品を紹介する。27体はセラミック、1体がブロンズである。ほとんどがこの作品展のために作られた。このうちの20体は彼女の作品によく出てくるキャストを小さな作品としてリメイクした。いわば本作品展のパイロット版のような位置づけだ。